カリブ海の中にあるフランス、グアドループ諸島。
この島々をご存知の方は決して多くないでしょう。
なぜならグアドループについて書かれた日本語観光ガイドブック等は皆無に等しく、現地在住日本人はわずか数名。また訪れる邦人も極端に少ないからです。そのためグアドループが日本人に知れ渡る事はなかなかありません。

現地情報をリサーチしても断片的なものしか見つからないと思います。
元々グアドループについては公用語のフランス語以外での詳細情報が乏しく、もちろん日本語情報として未だ全貌が明らかになっていません。

そのような状況の中でもフランス語圏に興味のある方や文化的好奇心が旺盛な方、あるいはカリブ諸島通の方、名産品であるラム酒好きの方、この島発祥の音楽好きの方(Gwo Ka 〈グォカ〉 、Zouk 〈ズーク〉 )などには一目おかれる島です。

「いや、それにしても情報が足りなすぎる。もう少し総合的にグアドループの事を知りたい。そして、できればいつか行ってみたい」

本書はそんな方のために作りました。

空港出口に現れるラム酒の巨大ボトル

 

グアドループはカリブ海にありながらフランス共和国の一部(フランス海外県)であり、ヨーロッパの一部でもあります。その証拠にユーロ紙幣にも(すごく小さくですが)グアドループ諸島の形が描かれています。フランス本土から遠く離れていながらもフランスの一部である南の島──。
あえて日本で例えるなら、とても遠方に位置する沖縄県のような地域です。沖縄県がいくつかの島で構成されているのと同じように、グアドループもメインの島と離島で成り立っています。これらがフランス国グアドループ県であり、グアドループ諸島です。

中心となるのは互いに隣接するグランド・テール島(Grande-Terre)と バス・テール島(Basse-Terre)。それに離島であるマリ・ガラント島(Marie-Galante)、 レ・サント諸島(Les Saintes)、ラ・デジラード島(La Désirade)が加わります。正確にはグアドループ島と言う名の島はないのですが、もしそう言った場合は、普通メインのグランド・テール島とバス・テール島を指します。

グアドループ諸島

 

これらの島々は日本から見ると地球の裏側に位置し、そう気軽に行ける場所ではありません。また、島内の公用語はフランス語かクレオール語。英語は通じにくく、移動手段は車のみ。
このようにいくつかの壁が立ちはだかります。
それらの壁を少しでも低くする事、それが本書の目的です。
グアドループ在住経験もある著者の経験に基づき、できる限り実用情報を入れて制作しています。

同諸島をさらに知っていただくため、またご滞在時のお供としてお役に立てれば幸いです。

「カリブ海 グアドループ諸島 2023」はじめにより)

カリブ諸島にある未知なる南の島、熱帯のフランスで一体どんな体験が待っているのか?是非訪れてみてください。

バス・テール島から望むカリブ海

 


「カリブ海 グアドループ諸島 2023」用の地図

 

「カリブ海 グアドループ諸島 2023」 Kindle版
Shinobu Uchino(著)